-
宝塚音楽学校の前身、宝塚唱歌隊が発足したのは1913年(大正2年)7月、宝塚歌劇の初演に先立つこと約9か月でありました。この永い歴史の中で1939年(昭和14年)に宝塚音楽学校と宝塚歌劇団とに分離されましたが、一貫して宝塚歌劇団の団員はすべて宝塚音楽学校の卒業生で組織され、創立以来およそ5,000人の卒業生を宝塚の舞台へ送り出し、2023年(令和5年)7月には創立110周年を迎えました。これもひとえに、これまで宝塚歌劇をご支援くださった皆様方のおかげと感謝いたしております。
宝塚音楽学校は、あこがれの宝塚歌劇の舞台に立つために、どうしても通過しなければならない青春の門です。予科・本科の2年間、あの華やかな夢の舞台を支える力となるために、心身の健康のもとで音楽や舞踊、演劇といった芸能の基本は勿論、舞台人としての心得もしっかりと学びます。
基礎訓練の習熟というのは体力的にもハードですし、面白味に欠ける所もありますが、その厳しいレッスンのもと、鍛錬を地道に積み重ねていくことが、やがて舞台人として大輪の花を咲かせることになるでしょう。
また、同時に、本校では校訓「清く 正しく 美しく」の教えに基づき、礼儀作法やマナーの学習も大変重視しています。これは価値観などが多様化する時代においても、一人の女性として、社会人としての教養を高めるのに大いに役立つものと思われます。
宝塚音楽学校では、このように宝塚歌劇団生の養成機関として、舞台人における芸能の基本や心得、人としての教養を教え、良き舞台人を育成するという教育方針は今後も変わりませんが、長年伝承してきた伝統的な取り組み等については時代の変化などにも応じて適宜見直してきており、現在、宝塚歌劇団において進めている組織風土などの改革ともさらに連携し、立派な舞台人を送り出していけるよう、引き続き誠心誠意取り組んでまいります。
ごあいさつ
理事長:村上 浩爾
校長:中西 達也